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土練機が・・・。

こんな話は、前回に続いてしか書けないので、チャンスと思って。

河井寛治郎の本の中でこんな文章を見つけてうれしくなったことがあります。
自分の工房の情景を描いた部分でした。
「土練機(どれんき)がうんこをしている。」

あの人格者の河井さんが・・・、という意外性と、
やっぱり陶芸をやる人間には幼児性があるんだ、と安心する部分と。

その後に続く文章は、今日もやるべき仕事があることへの充足感に満ちているように思えました。
土練機から出てくる粘土の様子を見ていて、僕も連想することがあるんだけど、
気力が充実しているときに連想するような気がします。

それにしても、これ以上短くできない言葉です。
「土練機がうんこをしている。」
土練機を見る視線が、まるで自分の子供を見るよう。
ドレンキという響きもいい。
仕事を待つ、健やかな粘土が生まれている。
そんな印象です。


ところで、陶芸教室に通っているみなさま。
河井さんの言葉も、いちど聞いたらもう忘れられません。
土練機の前で吹き出したりしないよう、くれぐれも・・・。
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by yasuhikohayashi | 2005-10-31 22:17
このごろ広告の仕事でバタバタしています。

自分でも不思議なんだけど、
辞めてしばらく陶芸に専念していたときには、
工芸という最後まで自分ひとりで決めてゆく作業が苦しかった。
広告の場合、最後はクライアントがチョイスするということに
慣れていたんでしょうね。

陶芸でどんなものを作るかというときに、いろんな発想が浮かぶんだけど
それを最終的にチョイスするのも自分しかいないというのに違和感があって、
自分では良いと確信できても、「たしかにいいね」と言ってくれる人は
工芸の場合、自分以外誰もいないわけです。
できあがったものには感想を求めることができても、
プランの段階では完全に一人。

広告をやっているときには、「分からず屋を説得するのは大変だ」
などと生意気なことを思っていたわけですが
今おもえば、広告というのは、いろんな人が寄ってたかって
多くの人のフィルターを通ることで、
結果として、独善に陥らないで一定の質を確保したものができていたんだと思います。
柳宗悦のいう、「他力」にも似た力が広告作品には働いていたような・・・。


工芸生活を二年やってきて、
広告の世界に戻ってみると、最終的な決定を人に委ねることに
どうも違和感を覚えてしまうようになっていることに気が付きました。
これは、工芸一筋の人にも、広告一筋の人にも
分かってもらえないような気がします。


今週は、もと勤めていた会社にも行きました。
その会社が出している「広告」という雑誌の編集長に呼ばれて、
ほんとうに久しぶりに行きました。
どういうカタチになるか分かりませんが、いずれ編集に参加することになるかも。

29階の編集長の部屋の窓からは、汐留の高層ビル群や六本木ヒルズが見渡せました。
ヒルズの横には、また新しいビルが建設中。
その風景を眺めていると、五輪真弓の・・・・タイトルは忘れましたが、
「高層ビルの群れが、砂漠の中の蜃気楼に見える都会の朝・・・・」
という歌詞が浮かびました。


くだらないことをひとつ。いや、くだる話。
広告の仕事で出入りする高層ビルを見上げていて、
すごいイメージが頭に浮かんで、それからというもの
高層ビルを見るとそのイメージが映像として浮かんで困ります。
高いところでトイレを流すと、排出物はおそらく猛スピードで落下する。
まだるっこしいから、言っちゃおう。
美しい高層のインテリジェント・ビルの真ん中を、ウンコが急降下している映像が
どうしてもアタマに浮かんでしまう。

いちど想像してしまったら、もう振り払おうとしてもダメ。
無機的なガラスの城の中を
ウンコがびゅんびゅん飛ぶように落ちている・・・・・。
なんだか笑いがこみあげてきます。

働いているのはロボットではなくて、人間なんだよという証のような。
そんな映像を想像すると、僕は、ほっとするんですよ。
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by yasuhikohayashi | 2005-10-29 21:45

秋晴れ!

昨日、工房から戻るときに霧がけっこう出ていて街灯がもやっていました。
千葉のマリンスタジアムは大丈夫かな、と思いながらTVを観ていたら
やはり・・・・。日本シリーズ初の霧によるコールドゲームだとか。

今朝は一転して、抜けるような青空。
ベランダからは、富士山が見えました。
(千葉県からも富士は見えるのだ!)

富士が見えるのは年に20日くらい、かな。
たいていは、昼になると霞んでしまうのに
今日は一日中、富士が見えて、得した気分。

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ベランダのススキと富士山。
くっきり見えたんだけど、写真では、うっすらかな。
クレーンの見えるあたりには、
かつて人工スキー場のザウスがありました。
(けっこうジャマだったなぁ。)
こんどできるのは低層のビルらしいので、ほっとしています。

あ、僕の仕事場は・・・・・
右に見える黒い固まりのような森(神社の森)のすぐ左側にあります。
木々に隠れて写っていませんが。
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by yasuhikohayashi | 2005-10-23 15:41

この立札に効果あり!

工房の敷地に空き缶やゴミが良く捨てられるのが腹立たしくて、
ベニヤ板(これは隣りにアパートが建ったとき余ったものをたくさんいただいたもの)に
墨痕鮮やかにしたためて立てかけました。
ゴミの投棄はピタリとやみました。それは。5年前のこと。
風雨にさらされた文字はずいぶん読みにくくなったけど、いまだに効果を発揮して
ゴミが落ちていることはめったにありません。

さて、その立札・・・・・・と言っても、ただ立てかけてるだけなんですけどね。
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工房は神社の鳥居のすぐそばなので、こう書きました。

●5年前に出した立札
「心配しております。この近辺にゴミを
お捨てになった方。御自身や親しい方に異変は
ございませんでしょうか。お鳥居の近くはとても
清浄な場所です。以前ここにゴミを捨てて
大変なことになった方を、私は三人知っています。
一刻も早く、御自身の手で。心配しております」

これを出したときには、捨ててあったゴミまで消えました。






その後、鳥居から少し離れた工房の裏手に、ゴミが捨てられるようになりました。
それも、大きなポリ袋にいっぱい詰められたものが・・・。
そこで再び、言葉で戦いを挑みました。
そのときの立札・・・・・・
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こんどは、暴力的な男の妻、という人物設定で書きました。

●3年前に出した立札
「ここにゴミを捨てる人間を
見つけたら、ただでは置かないと
主人が申しています。主人はこわい人です。
私にはもう止められません。
主人を犯罪者にしないでください。」







ゴミを捨てる人間には、かなり怖い立札ができたと気に入って
家人に報告したら、こんな反応でした。
「そんな立札を出す変わり者がそこにいるというのが、怖いわねぇ」

仕舞おうかどうか悩みならも、その防ゴミ効果は手放せず、
今に至っています。

※そうそう、作業を終えて深夜帰ろうとしたときに、上のほうの写真の立札を読んで、
自分でもゾクッとしました(笑)。
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by yasuhikohayashi | 2005-10-21 13:18

作業台の片づけ

工房の作業台の上を片づけようと思い立った。

以前、ある本を読んでいて、こんな話が出ていました。

木こりさんが作業しているところに、ある男が通りかかりました。
切れないノコを使っているようで、なんとも仕事がはかどらない。
見かねた男は言いました。「まず、ノコを研いだらどうかね」。
木こりは応えました。
「そりゃそうなんだが、あいにく忙しくて、ノコを研ぐヒマなんかないんだよ」

読んだときには笑ってしまいましたが、
昨日、自分の作業台の乱雑さを見ていて木こりさんを笑えないなと思ったわけです。

この「地べた工房」を手に入れたのは5年前。
もとは石材こうばだった建物です。
1階を工房に、2階を書斎にというプランで内装工事を頼みました。
工事が終わったあとは、ひとりでせっせと工房らしくしていきました。

当時は、まだ会社員。20年勤続のご褒美として3週間の休暇がありました。
本来は21年目に取らなくてはいけないんだけど、長期の休みがなかなか取れず、
23年目の夏に休みを取って、工房&書斎づくりをしました。
あの夏は暑かった!
丸々3週間かけて、自分の城ができました。

休み明けに出社して言われたのは、「あれ、焼けてないねぇ」。
たいていの同僚たちは、奥さんを伴ってのヨーロッパの旅、などをしています。
妻から不平が出なかったのは「御の字」ですが、
あるいは火種はくすぶっているやも・・・。

さて、作業台の話。
そこは粘土遊びの拠点、幼稚園なら「砂場」のような所かな。
存分に遊べるように、とにかく大きな作業台を置こうと決めた。
ホームセンターでパイン材の板を買って大きな作業台をこしらえた。
ところが・・・性格ですね。白木がきれいすぎて汚せない。
別に机くらいの大きさの小さな作業台を合板で作って、作業はもっぱらそちらで。
本来の作業台は、いつしか荷物置き場の状態に。

これはいかん、と5年目にして思ったわけです。

今朝から片づけて、さっきやっと終了。
途中までやっていて、仕事の多さにイヤになったとき、
良いことを思いついた。
片づけの、ビフォア&アフターを写真に撮ろう!
前後の変わりようをブログに載せよう。
そうすれば、飽きかけてる作業にもやりがいができるというもの。
人間は、なんにでもやりがいを見つけるものです。
(人間は、ではなくオマエは、だろう!)


さて、ビフォア・・・・。
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手前はいつも使っている、やや大きめのデスクくらいの大きさの作業台。
奥が物置台と化した、180×110cmの作業台。
といっても、ふたつの台の境目もわからん!

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アフター。
やっと片づいた!
これからは気分良くやれそうです。しかし、このスッキリ、いつまで続くやら。
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by yasuhikohayashi | 2005-10-17 13:17
昨夜の、ホークスの大逆襲、ケーブルテレビで見ました。
千葉県に住んでいるので、にわかロッテファンになっていますが、
昨日の9回の4点差を追い上げる様子を見ていて、いつのまにかフォークスを
応援していました。
競ってくると、僕はやっぱり王さんのフォークスのファンなんだなぁ。

1995年、僕が博多に転勤したとき、支社で、こう挨拶しました。
「今年、中州のバーの女性たちが待ち焦がれた2人のイイ男が、
東京から博多に単身赴任してきました。
1人は王(ワン)といいます、もう1人は林(リン)と言います。・・・・・・」
もっとウケるかと思ったのに、ちっとも受けなかった。

低迷していたチームの監督を引き受けて、4年目に日本一にするのを、
博多で目の当たりにしました。
3年というのは、それができる時間なんですね。

赴任してすぐのころ、何かで知った言葉を殴り書きして、
1人暮らしの部屋の壁に貼っていました。
10年経って、紙はすっかり茶色になりましたが、工房の「書斎」と呼んでいるこの部屋の壁に
今も貼っています。

「人生の本舞台は 常に将来に在り」 尾崎行雄の言葉だそうです。
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「将来に在り」を「有り」と書いて、×して「在り」に直した文字も、
10年のあいだにずいぶん薄くなりました。あのころの気分、ちょっと忘れがちだなぁ。
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by yasuhikohayashi | 2005-10-16 16:19
さっきのことです。
そろそろパソコンの電源を切って、工房(兼書斎)から家に帰ろうかな
と思っていたら、広告の宿題がメール添付で送られてきました。

それで思い出した。
会社員時代の最後のころ・・・・・。

PCの電源を切って、さて帰るか!というときに営業部の人が来て
PC作業が必要なような仕事を持ち込んできたとき、こう言ったものです。

「お客さん・・・カンバンなんですけど。
もう火を落としちゃったんで、すみませんねぇ。」
PCの火を落とす、というのがなんか感じが出ていて気に入っていました。

じつは、広告の宿題を送ってきた相手に、上のようなことを書いて送りました。
そうしたら、以下のような返事が来ました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「じゃあ火を通さないヤツ(手書き)ならできる?」
と聞き返すのが営業部員の「さが」でしょうか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そのとおりで、クライアントに揉まれた人間関係のプロの前に
いたいけなCMプランナーは、「少しだけなら」と席をすすめたりするのでした。
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by yasuhikohayashi | 2005-10-14 21:24

金木犀

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気持ちよく晴れた今朝のこと。
工房に向かう道が工事中で、いつもと違う道を通りました。
はっとする香りが降ってきて、見上げると満開の金木犀。

この花の香りは、いつも不意打ちです。
そこここで見かけて、季節なんだなと知っていたのに
香りに出会うとドキンとさせられます。

去年はスケッチしました。描いてみると、つくづく変わった花です。
枝の途中でいきなり咲いて、十文字の花びらは作り物のよう。
いままで見逃していたんですね、そういうこと。
描くというのは、しっかり見るための良い方法、だと思います。

花が少なくなる時期を狙ったように咲く金木犀は、
香りで目をひいて、「凝った作りの花を見て見て」、と言いたそう。
ふだん地味にしているくせに、ほんとはけっこう目立ちたがり屋だなぁ。
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by yasuhikohayashi | 2005-10-13 18:12

電気窯と、しばしの別れ

今日、電気窯の修理のために岐阜の工場から来てもらいました。
通電しないとかの大きな不具合ではないので、ついでがあったときでいいです、と言っておいたら都合がつぃたようです。
直してもらいたかったのは、蓋からボロ(鉄のサビ)が中に落ちるので、そのサビ止め。
中に入れた器に付くとだいなしです。
それと、還元ガスを吹き込むバーナー口のセラミックが半分くらい欠損しているのを補修すること。
あとは、蓋にある排気口も同じように半分くらい欠損したのを補修してほしいこと。

お願いしたいのはそのくらいでしたが、修理に来てくれた人によると、
蓋の作りが予想外で、修理するには部品が足りないので、持ち帰って直したいとのこと。
それならいっそ、電熱線もそろそろ寿命なので張り替えもお願いすることにして、
オーバーホールしてもらうことにしました。

考えてみれば、博多に転勤するときに購入して、単身赴任の友(あれ、なんかこの言い方ヘンかな)として苦楽をともにしました。この窯がなかったら陶芸の面白さにこんなにのめりこむこともなかっただろうし、今も会社員を続けていたかもしれません。
工房にはもう一基、大きなガス窯がありますが、この小さな電気窯には特別の思いがあります。

丸10年の付き合いに思いを馳せながら、窯をトラックに載せるのを手伝って見送りました。
10日ほどで帰ってくるそうです。
こんなに長いあいだ離れるのは初めてで、なんだかさびしいなぁ。

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           トラックに積まれて・・・・・・

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                 傷は浅いぞ、しっかりしろ

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           235回の還元焼成をともにした歴戦の勇士は

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           毛布にくるまれて入院。退院するまでのしばしの別れ
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by yasuhikohayashi | 2005-10-12 22:10
ニ三日前、夜NHKのラジオを聴いていたらゲストの女性がとてもいいことを言っていたので、思わず引き込まれました。
こんな内容でした。
「そうなんです、夢はほんとに叶うんですよ。夢を持つのはとっても大事。
具体的な目標を持って、今日自分はそのために何をするのか、というのがだいじです」
喋っているのは誰だろうと思った。

イチローが、ちょっと違うけど、同じようなことを言っているんですね。
「僕は夢という言葉は好きじゃない。目標になって初めてそこに到達できる道筋が見える」と。

イチローは夢と目標をキチンと区別しようとしていることを知っったとき、やはり彼は違う次元のステージにいると思った。
そして、今回、「夢と、目標と、今日やるべきこと」をキチンと区別して関連付けて意識している女性の発言を聞きました。
まったく同感ですし、はっきり言葉にしてくれたことでインスパアされました。

相手をしていた男性アナウンサーはその言葉をフォローすることもなく、次に掛ける曲の紹介に入りました。「曲なんかどうでもいいから、もっと彼女に喋らせろ!」そう思いました。
ラジオでは「さわちみお」としか分からなかったので、パソコンでいろいろ検索して
彼女の名が「澤地美欧」だと知りました。

シャンソン歌手で、「スーパーシャンソン」というシャンソンの枠をこえたところにチャレンジしているようです。TVドラマのテーマ曲なども。
プロフィールによると、「準ミスユニバース日本代表」という経歴の持ち主。
それから6年後に「いつか泣きやんだ日に」でシングル・デビュー 。
その間は何も書かれていなくて、冒頭のラジオの言葉はそのころにつかんだのかな、
と勝手に想像しました。シングルCDのタイトル、なんだか象徴的です。

今も代理店時代のCMプランナーだったら、彼女を起用したCM音楽をすぐにでも提案できたのに・・・・・なんて考えるとちょっとくやしい。

もしかしたら知らなかったのは僕だけで、すでに名の知れた人なのかもしれません。
彼女の、これからを注目しようと思います。
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by yasuhikohayashi | 2005-10-10 21:48

日々、気がついたことのあれこれを書きます。


by 林 寧彦(やすひこ)
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